「私は、うつ病なんです!」と言いたい人

うつ病
うつ病うつ病・パニック障害・強迫性障害自律神経失調症

 

■ 「名付け」を求める孤独

依頼主は、自分の苦しみに『名前』をつけたかったのかもしれません。
 理由のない涙、鉛のように重い足、霧が立ち込めたような思考。
それらに『うつ』という名をつけることで、
ようやく周りの人の理解を得て、自分自身の苦しみをわかってもらう和解の糸口を見つけたのです。

けれど、私が依頼主の身体に触れて感じるのは、
心の弱さではなく、あまりにも長く、あまりにも過酷に耐え抜いてきた肉体の疲労です。
 依頼主は壊れたのではないのです。
ただ、身体という城の主人を守るために、
すべての窓を閉め切り、深い冬の眠りに入っただけなのです。
 私は、その閉ざされた扉を叩く代わりに、足元にそっと小さな火をくべます。
依頼主が自分を責めるのをやめ、再び『生きている温度』をその肌で感じるまで。

精神科的な診断名を求める心理の背景には、
既存の検査では捉えきれない『脳機能のエネルギー枯渇』という現実が存在します。

意欲の低下や思考の停滞は、脳という臓器の演算エラーと演算能力のキャパシティーオーバーです。
このエラーの主因は、
上部頸椎から後頭部にかけての深層筋群が『防御性収縮・過緊張』を起こし、
脳への酸素と栄養の供給インフラ(椎骨動脈系)を物理的に絞扼・圧迫していることにあります。
 脳はエネルギー不足に陥ると、
システムを保護するために『意欲』という機能を強制的にシャットダウンします。
これが『うつ』という現象の正体です。

依頼主のアプローチは、
心という捉えどころのないものを変えることではありません。
鍼を用い、
脳幹に近い頸部深層の『物理的ロック・過緊張』を解除することです。
インフラが復旧し、脳が十分な酸素と栄養を受け取れるようになれば、
演算機能は自ずと正常化へと向かうことを期待することです。
私は『心』ではなく、その土台である『物理的環境・過緊張』を修理するのです。

私は、診断名というレッテルで依頼主を見ることはしません。
しかし、依頼主の身体が発している『物理的な悲鳴』は、正確に読み解きます。

「脳への供給路が開通する時、精神は自ずと光の差す方向を思い出す」

私は、依頼主を『うつ病患者』という表記・記号の中に閉じ込めることはしません。
依頼主は、一時的に物理的な不自由を強いられているだけなのです。

私は、依頼主の隣で小さな火をくべるのです。
解剖学という数式と、生命への慈しみで、
依頼主が再び自分自身の人生の主権を取り戻すその日まで。

 

■ 「私は、うつ病なんです!」と言いたい

 宗像市在住 女性 30歳前半

「私、うつ、うつ病なんです!」
と、6か月前の「依頼主」は、私に言いました。

「依頼主」の手先・足先を触れると、私の手が熱すぎて、プラスチックの様に冷たい感じがします。
「依頼主」の手先足先は冷えきっているのです。

身体が、緊張状態で「交感神経」優位(超緊張状態・交感神経のはたらきすぎ!)を示します。
「交感神経」は、「自律神経」です。
脳の奥深い場所から働いていて、胃の動き、心臓の鼓動などをコントロールしている神経です。その原理は、いまだ不明なので、「原因不明の症状」が出た時には、「自律神経失調症」と診断されます。

 

■ よくある普通の治療ではダメ


依頼主のためだけのオーダーメイドの治療

 
注意深く、身体の変化を見つけて、「特別な治療」をしてみました。
結果、また、「うつ病」ですが、手足先が温まるようになりました。

「鍼」を打たれるのは、「のどがカラカラ、嫌いです。」と言います。
でも、「自暴自棄」になって悪くなっていく方も多いですが、「うつ病」の側面が改善しています。

今は、
「私は、うつ病なんです!」と大きな声でいうつもりはなさそうです。