■ 見えない痛み
依頼主の首は、
今、「変形」という出口のない部屋に囚われているように感じているのです。
むち打ちの後遺症、腕へと広がる痺れ、
加えて身体の軸を歪ませる側弯です。
病院の画像診断で「異常なし」と言われたとしても、
その言葉が依頼主の痛みを消すわけではありません。
むしろ、「どこにも異常がない」という診断が、
依頼主をより深い孤独にさせているのです。
依頼主の身体は、目に見える形だけでは語り尽くせない、
複雑な「痛みの地図」のようになっています。
その「痛みの地図」を、私は丁寧に読み解きます。
■ 構造の歪みと神経の機能不全
頚椎の変形は、単なる骨の形状変化だけを指すのではないのです。
それは、首を取り巻く筋肉、靭帯、そして神経という「つながりのある身体のシステム(要素)」を示します。
むち打ち後の痛み、頚腕症(首から腕への痛みや痺れ)、側弯症(背骨の湾曲)は、
その歪みが神経や血管を圧迫し、機能不全を引き起こしているのです。
レントゲンやMRIでは捉えきれない、「筋肉の過緊張による神経の絞扼」や「関節の微細な可動域制限」が、依頼主の痛みの根源です。
私の治療は、この画像に映らない「機能的・構造的な歪み」を、正確な触診と深い解剖学的知識に基づいて特定することになります。
その歪みを物理的に修正し、
神経伝達を正常化させることで、身体の痛みや違和感を低減させていきます。
■ 再発しない強い身体を築くことを目指す。
私の鍼治療は、「頚椎の変形」を、部分的な問題として捉えません。
首は、頭という「司令塔」と、体幹・手足という「実行部隊」を繋ぐ、最も重要な「中枢軸」です。
この軸の歪みは、全身のバランス、自律神経、そして内臓機能にまで影響を及ぼします。
故に、私は首だけでなく、「体全体のつながり」を見据え、
その「全体軸」の再構築を目指します。歪んだ軸を根本から整えることを目標に、
単に痛みを消すだけでなく、身体が本来持つ「自己治癒力」を最大限に引き出し、
再発しない強い身体を築くことを目指しているのです。
■ 症例
■性別 男性
■年齢 60歳代前半
■症状<傷害部位は左図の赤い部分>
・顔を上に向けると激痛が走る。(頚椎の変形)
・顔を左右に向けると激痛が走る。特に左を向く時は酷い。(むち打ち・頚腕症)
・背骨の変形(側弯症・側わん症)
交通事故に数回遭っていて、今度、交通事故に遭えば、命に関わる可能性があると主治医に言われているようです。
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治療の回数と治療の効果と改善
初回治療
治療の初回、
首や肩に違和感や痛みが出るところまで上を向いてくださいとの指示での写真です。
ほんの少し上を向くことで、痛みが出ています。<ほとんど上を向いていません。>
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初回治療終了後、首や肩に違和感や痛みが出るところまで上を向いてくださいとの指示での写真です。
治療前より痛みが減少し改善できています。
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2回治療後
2回目治療終了後、首や肩に違和感や痛みが出るところまで上を向いてくださいとの指示での写真です。
引き続き改善傾向にあります。
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3回治療後
3回目治療終了後、首や肩に違和感や痛みが出るところまで上を向いてくださいとの指示での写真です。
かなりの改善です。
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3回目治療中に、
頸椎と胸椎がジグザグにずれている
ことを見つけました。このジグザクを治療していきます。
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4回治療中
4回目治療中 マジックでマークをしてみると頸椎と胸椎がジグザグにずれている(側わん症・頚椎の変形)ことがハッキリします。
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5回目治療中
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6回目治療中
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7回目治療中
頸椎や胸椎の位置に変化がみられる。
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8回目治療中
さらに、頸椎や胸椎の位置(頚椎の変形)に良い変化がみられる。
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9回目治療中
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11回目治療後
上を向いたときの違和感や痛みはほとんど無くなりました。(頚腕症の改善)
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11回目治療後 頸椎、胸椎の位置は、真っすくな時が多くありますが、ズレているときもあります。
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15回目治療後
頸椎、胸椎の位置は、真っすくな時が多くなってきてます。
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16回目治療後
頸椎、胸椎の位置は、ほぼ正常と思われる位置に変化するようになってきました。
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治療の結果
頸椎、胸椎は、
1~2cm移動。最大で2.5cm程度の移動
ができました。
症状は、10年に3回という交通事故で 年数が立ちすぎているので、
治療効果は難しいと思われましたが、次のように
良い結果
になりました。
当院での治療前の
痛みや痺れ、違和感を10とすると、現在3 です。
【7ポイント<7割>の改善】
日常生活には、
ほとんど気が付かない
ようになっています。
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まとめ
・頸椎の病気では、痛み止めや湿布などでは、効果が現れ難いことがあります。
・頸椎での神経の圧迫などによる痛みや痺れ感は、痛みや痺れが出だしてから初期であれば、あるほど改善につながりやすいようです。
・このような鍼灸治療では、患者さんと相談しながら刺激量をコントロールし不快な治療にはなりません。



































