大脳皮質から骨格筋までの直達的な下行路を、錐体路とよぶ。錐体路以外の運動系の下行路を、錐体外路とよぶ。錐体外路は、大脳基底核、小脳、脳幹(赤核,網様体)などを経由して、前角の運動神経細胞体に投射する。錐体外路の最重要な機能は、姿勢制御である。
http://web.sc.itc.keio.ac.jp/anatomy/Rauber-Kopsch/web/abb2/445.html
錐体路障害 (すいたいろしょうがい、Pyramidal tract disorder)
運動神経線維(ニューロン)の遠心性経路で延髄の錐体を通る経路のことを錐体路という。
随意運動の指令を伝える。
錐体路を含めた、主に上位の運動ニューロン障害のことを示す。
運動ニューロンの経路は以下の通りである。
大脳中心前回 → 内包後脚 → 中脳大脳脚 → 延髄錐体交差 → 脊髄側索または前索 → 脊髄前角細胞 → 末梢神経 → 筋肉
前角細胞までを上位運動ニューロンという。
前角細胞以下を下位運動ニューロンという。
名前の由来 遠心性出力は、4野と6野の大・中錐体細胞の繊維が作る皮質脊髄路と皮質延髄路を介して行われる。 これらは延髄の腹側で正中線の両側において、錐体と呼ばれる隆起をつくる。そのため錐体路と呼ばれる。
1、からだを動かす能力が身につくプロセス
引用 http://houdai.blog61.fc2.com/blog-entry-908.html
■随意運動への発達パターン
からだを支えて床に足をつけると歩くように足を交互に動かす・音のするほうに振り向くなどは出世時から認められる。こうした反応は、主には大脳皮質下の働きと言われている。ところが、これらは生後1〜4ヶ月の間に消失し、再び随意運動、すなわち大脳皮質が調節の主体となった動きとして現れる。この消失の間に、動きを司る主体が皮質下から大脳皮質へと移行する。
また、物をつかんだり、手を伸ばしたりする手の操作は、わしづかみから指先への精巧な動きへと進歩する。このようにからだの動きは身体の中央部から末端への発達パターンを持つ。
■随意運動の成り立ち
大脳皮質の運動野から筋肉に指令が伝わるルートは、大きく2つに分類される
@錐体路・・・巧みな動きを支配する主体
A錐体路以外のルート「錐体外路」・・・反射や動きの円滑化に寄与する
2つのルートがこのような役割分担になっているので、随意運動として出来上がった動きには、錐体外路による変動の幅と、錐体路による動きの「まとめ」としての変動の幅とが重畳される。例えば、歩く動作のようにまとめ方が比較的単純であれば、その人独自のパーツが目立つ動き、すなわち、生まれつきと思える動きとなるし、投げる動作のようにまとめ方が複雑であれば、まとめ方の巧みさが目立つ動き、すなわち、学習の仕方によると思える動きになる。
■動きの「まとめ」と習熟
日常生活での多く使われる動きは、特別な練習を必要としない。しかし、習熟のためにその動きを改善しようとすれば変わる可能性が高いが、改善しようとしなければ「まとめ」の固定化が進む。錐体外路による動きのパーツが目立つ動きは、習慣化されてクセになってしまうと改善しにくい。
遊びやスポーツの中で使われる動きとなると、うまく出来ることが要求されるので、特別な練習の中で習熟のために繰り返しの練習が必要となる。そして、手先の操作機能の習熟には幼児期から小学校低学年期が重要な時期と言われている。
どのような動きでも、はじめは大脳皮質からの指令が的確でなく、筋肉には不要な活動や余計な緊張が見られる。その的が絞られて「まとめ」が進む。そこに視覚や自己受容期を通したフィードバック制御による微調整が進むと、動きは巧みさの高いものとなる。それが繰り返されて自動化されると、記憶が出来て学習が成立した・習熟したということになる。
2、自発的な学習によるのか、他者の指導によるのか
■幼児期までの指導効果
アメリカ小児医学会では、早期教育は効果なしと言う立場をとっているにも関わらず、乳幼児期には「安全で、動きをはぐくむ内容で。出来るだけ自由に遊ばせる」ことを親に勧めている。一見矛盾しているように思えるが、この時期からの長期の学習がその後の動きの効果は明白ではないが、ネガティヴに働くことがないという考えに基づいている。また親や家族のライフスタイルが、この時期での子供の動きの開発には大きく影響する。親がよく身体を動かすライフスタイルであれば、子供も身体をうごかすようになる。
■幼児期からの指導効果
物がよく見えてそれに対しての理解が深まるのは幼児期以降と考えられ、主体的に自発的な学習が出来るようになるのはその頃からである。
(例)小学校1年生と4年生のボール投げ練習で同じ内容を指導する
↓
@1年生は練習する前に投げた距離に関係なく飛距離が伸びた
A4年生では練習する前に投げた距離の短かった子供ほど飛距離が伸びた(練習内容をよく理解している)
B4年生では練習前に飛距離の長い子供はそう伸びなかった(日常の動作で形が出来ている)
幼児期から小学校低学年には、言葉での説明よりテレビやビデオで模範的な動きを見せたり、指導者がデモンストレーションを見せることが必要である。
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