脊髄の半側が障害されると障害された同側の深部感覚、運動麻痺、反対側の温痛覚障害がでると教科書に載っていたのですが、脊髄の半側が障害されれば、損傷した側の温痛覚は正常なのでしょうか。
温痛覚の知覚神経は脊髄に入り、そのまま同じレベルの脊髄を反対側まで到達し、そして脳まで上行し、温痛覚を感じます。
一方、深部感覚の知覚神経は脊髄に入ってすぐ上行し、脳まで到達し、深部感覚を感じます。
そして、運動神経は脳で命令が発せられた後、走行が延髄で反対側に移動し、そこから脊髄を下行して四肢に到達し、運動を引き起こします。
さて、脊髄の半側が障害されるとどうなるでしょうか?
(脊髄の半側の障害というのは脊髄全体の半分ということではないですよ。
あるレベルにおける脊髄の半分だけの障害ということです。)
たとえば上位胸椎レベルの脊髄の右側だけが障害されると、右側の下肢の深部知覚と左側の下肢の温痛覚が上行できなくなりますよね?
また、右側の下肢を動かすための命令(左脳から発せられた命令)が下行できなくなりますよね?
するとブラウンセカールの典型的な症状になるわけです。
この時、右の下肢の温痛覚は通常通り上行できますので、正常に感じます。