鍼刺激はアデノシン分泌を高め、鍼治療による末梢性鎮痛効果にはA1受容体が関与する。 ←→参考1/2
Zusanli(足三里、ST36)へ5分おきに30分間鍼をゆっくりと回転させると、アデノシン量が実験前の24倍増加した(マイクロダイアリシスーHPLC)。ADP、AMPなどのATP代謝産物が増えた。
CFA投与でmechanical allodynia(von Frey filaments 0.02 g)およびthermal hyperalgesia(Ugo BasileのAnalgesymeter)がピークになる4日目に、足三里へCCPA(A1アデノシン受容体の選択的アゴニスト)を局所投与するとmechanical allodyniaもthermal hyperalgesia抑制されたが、A1受容体のノックアウトマウス(A1RKO:CD73)では鎮痛効果は認められなかった。
ニューロパシックペインモデル(坐骨神経のpartial ligation:PSL)でも同様の結果が得られた。
痛み刺激に対する前帯状回のfEPSPは同側の足へのCCPA注入で抑制されたが、対側への注入やノックアウトマウスでは認められなかった。
白血病治療薬のdeoxycoformycin(デオキシコホルマイシン:AMP deaminase and adenosine deaminaseの抑制、ペントスタチン)の投与は鎮痛効果を延長させた。
http://www.shiga-med.ac.jp/~koyama/analgesia/analgesia.html